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堤婆達多品 第十二 その5

 投稿者:shamon  投稿日:2009年10月15日(木)14時53分37秒
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  (現代語)

龍女は智積菩薩と舎利弗尊者に言いました。「私は宝珠を世尊に献上致しました。世尊が受け取られること、速やかであったでしょうか、そうではなかったでしょうか。」 二人が「甚だ速やかであった」と答えると、龍女は続けて言いました。「貴方方の神通力を以て、私が仏と成る姿を御覧なされよ。これよりも更に速やかなることを。」

(要文)

我宝珠を献る。世尊の納受是の事疾しや不や。答えて言く、甚だ疾し。女の言わく、汝が神力を以って我が成仏を観よ。復此れよりも速やかならん。

(要義)

釈尊が宝珠を速やかに受け取られたことよりも、これから示す成仏は更に速きことであるが故に、神通力を以て見損なわないようにと、龍女は智積菩薩と舎利弗に注意を与えています。この悟りを開くこと速やかなることを頓証菩提と言いますが、これは法華経の大切な思想の一つであって、私達が成仏する時に於いても大いに信仰の力となるものです。

そもそも宗教は婦人の信仰及び努力を非常に要するものであって、その宗教が婦人に感激を与えないものであったならば、それは家庭に入ることはなかなか出来ません。法華経は、最も婦人が一般に信仰すべき教えであるのに今まで家庭に十分に入らなかったのは、この堤婆達多品の意味が十分に宣伝されなかったからです。この女人成仏の一節は法華経の中にも大切な教義であり、それ故に日蓮聖人は「一切の女人の成仏をあらわす」と言われて、多くの婦人に御手紙を認(したた)められてきたのです。法華経の真意を知って、そして他の経典にある婦人観を総合するならば、仏教が如何に婦人の味方であって、釈尊が如何に婦人の自覚を促し、如何に理想を与えるかと努力されていることを、感激を以て知ることが出来るでありましょう。
 
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