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化城喩品第七 その2
投稿者:shamon 投稿日:2009年 5月10日(日)11時08分28秒世尊がこの世に未だ出現されなかった時、十方の世界は常に暗黒の如くであり、餓鬼・畜生・地獄の境界にある者が増大し、阿修羅による闘争もまた盛んでありました。
願わくは、此の功徳の利益が普く一切の者に及ぼされ、我等と衆生とが皆共に仏の道を成し遂げられることが出来ますように。
(要文)
世尊未だ出でたまわざりし時は十方常に闇瞑にして、三悪道増長し阿修羅も亦盛んなり。
願わくは此の功徳を以て普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん。
(要義)
この一節は、十方世界の創造者である梵天王達が、大通智勝如来に供養を捧げて法を説くことを勧請しているところです。大通智勝如来の事に寄せて話は進められますが、これは釈迦牟尼仏が世に出て教えを説かれなかった場合も同じで、十方は真っ暗であり、少しもそこに光明のある生活が開かれることはなく、人間でありながら地獄・餓鬼・畜生の三悪道の性質を発達させ、瞋恚・貪欲・愚痴の三毒を盛んとして高遠の理想を無くし、低級なる思想に堕落してしまうことになります。それ故に「阿修羅もまた盛んなり」で、国と国の間には意味無く戦争が開かれ、権力利益、その他政権などの争奪が盛んとなって、高潔なる道徳や平和な生活というものが無くなってしまうのです。そして、仏の教えがあってもそれが振るわない時、それを信心せざる時には、やはり同じ傾向となるのです。
社会の動向を深く観察し、現在の儘に行くならば三悪道は増長し阿修羅は盛んとなり、そして人々は皆その累を免れることは出来ない。そのように考えられる時、仏教を修行する者ならば、どうかこれを救いたい、現在の生活に真の平和と光明を与え、死に際しては悪道の境界に生まれ変わることのないように、永遠の悟り、幸福に至らしめなければならぬとの精神に立たなければなりません。「願わくは此の功徳を以て普く一切に及ぼし」とあるように、私達が仏教を修行し仏教を宣伝していくのは、ただ自己一人の利己的・独善的な修行ではありません。「我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」と、勿論自分も救われなければならぬけれども、その功徳は他の衆生も救うという、所謂自利利他の菩薩的精神を発揮すべきものなのです。