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見宝塔品第十一 その3
投稿者:shamon 投稿日:2009年 9月 4日(金)11時27分39秒宝塔の中の多宝仏が釈迦牟尼仏に半座を譲り、「釈迦牟尼仏よ、この座に座られよ」と言われると、釈迦牟尼仏は速やかに塔の中に入り、その座の半分に座って結跏趺坐をされました。
「我等も虚空中に」と願う人々の心を知ると、釈迦牟尼仏は神通力によって彼等を即時に空中に上げて留まらせ、そして大音声を以て総ての者に告げたのです。「誰であろうか、この娑婆世界において広く妙法蓮華経を説くことが出来る者は。程無く、私如来は入滅せんとしている。今こそが大事の時である。私は、この妙法蓮華経を託し、そして後世に存続せることを望んでいるのだ。」
(要文)
爾の時に多宝仏、宝塔の中に於て、半座を分かち釈迦牟尼仏に与えて、是の言をなしたまわく、釈迦牟尼仏此の座に就きたもうべし。即時に釈迦牟尼仏其の塔中に入り、其の半座に坐して結跏趺坐したもう。
即時に釈迦牟尼仏、神通力を以って諸の大衆を接して皆虚空に在きたもう。大音声を以って普く四衆に告げたまわく、誰か能く此の娑婆国土に於て広く妙法華経を説かん。今正しく是れ時なり。如来久しからずして当に涅槃に入るべし。仏、此の妙法華経を以って付属して在ることをあらしめんと欲す。
(要義)
多宝仏が半座を分かって釈尊を迎え、釈尊は即時にその宝塔の中にお入りになったことを二仏並座の式と言いますが、「多宝仏の上座に教主釈尊居せさせ給う。」と日蓮聖人が述べられているように、これは釈尊と多宝仏が肩を並べた仏だという意味ではありません。宝塔品では未だ分かり難いですが、釈尊が絶対の仏であることは寿量品において顕かにされます。釈迦と多宝を境智冥合などと言って実相との一致を説くことは迹門の意であって、本門は迹仏を破して本仏を顕す、釈尊の絶対を説くのが寿量品であることは、日蓮聖人の御遺文の中にも詳しく書かれている事です。
釈尊は宝塔に入るや否や、大衆を虚空に導き上げて告げられます。これは付嘱の文で、釈迦如来は程遠からずして涅槃に入るものであるから、この娑婆世界で法華経を説こうと思う者は誰でもここに誓いを立てよと、法華経を弘める人を求められます。その釈尊の熱心なる告勅は一度でなくして、「今、仏前に於いて自ら誓言を説け。」と三度繰り返して説かれるが故に、これを「三箇の鳳詔」と言います。