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遅ればせの感想

 投稿者:dalist  投稿日:2008年 7月30日(水)12時35分9秒
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  結局その後は行けなかった『ダリとピカソ展』ですが、やはり感想は書いておこうと思います。
まず全体の構成ですが、ダリ展とピカソ展が完全に分離独立してましたね。 せっかく2人を取り上げるのだから、同年齢や同時期、同テーマ等での比較展示があってもよかったように思うのですが、出品作の中には適当なものがなかったのでしょうか。 一応2人を比較した解説パネルはあったのですが、展示自体はひとつの展覧会ではなく、ふたつの展覧会を同時開催したという感じでした。
その2展とも、内容は全生涯に渡る総合展で、テーマを絞り込んだものではありません。 昨年一昨年と、こってりしたダリ展が続いた後なので、確かに見劣りはしますが、逆に手頃で見やすい感じもしました。 いずれにしても、地方でこれだけ見られたら、御の字でしょう(どこかのシャガールには、遠く及ばないとしても)。
私はピカソは門外なので、こちらについてはパスさせていただきますが、気付いたことを2、3記しておきます(結局パスしない?)。
まずキュビスム的表現です。 ピカソの描く肖像が歪んでいてわかりにくいのは、横顔と正面顔を重ねて描いているからだ、と聞いていたので、今回は横顔だけ、または正面顔だけに限定して眺めてみたのです。 そうしたら、あまりにまとも(!)なので、びっくりしてしまいました。 もう、全然おかしくないのですね。 異様な印象を与えるのは、ただただこのふたつを合体させているからだ、ということがよ~くわかりました。
ところでダリの絵にも、『リチャード3世を演じるローレンス・オリヴィエの肖像』(全画集1091)とか『怪物の発明』(全画集650)にこのスタイルが見られますが、リアルに描かれているせいか、ピカソほど歪んだ感じはありません。 そのためでしょうか、“立体派の手法を使った”と説明されることもないようです。 でも、おんなじだと思うんですけどねえ。
次に線描きのデッサンです。 私が美術の教科書なんかで見て強く感じていたのは、陰影を付ければ立体感が出るのは当たり前だが、ピカソのデッサンは陰影のない線描きだけでも立体感がある、ということです。 ところが今回『馬車とキューピッド』(図録43)を見たら、あまりにも平板的でがっかりしました。 同じ絵の中でも、右上の人物には量感があるので、馬や左側の人物は形状が直線的だから立体感に欠けるのでしょうか。 だとすると、意図的に描き分けたのかもしれませんね。
最後は版画です。 たまたま借りやすかったから多いのかもしれませんが、比較的初期に、かなりの数の銅版画を制作していますね。 一般に、特に版画を専門としない画家が版画を手掛けるのは、名前が売れて増えてきた需要に応えるため(?)、と私は勘ぐってしまうのですが、この頃のピカソは、まだ後年ほどメジャーではなかった(?)と思うので、これは純粋に芸術的な創作意欲によるものでしょう。 でも、若いうちにいろんな手法に挑戦したい、という気持ちはわかるのですが、これらの作品が肉筆ではダメで、どうしても版画という手法を使わなければ表現できなかったものだとは、私には思えなかったのですが。 いささか考えすぎでしょうか?

長くなったので(?)、ダリについては次回にさせていただきます。 そいじゃ。
 
 
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