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⑥顔
画面の中央に横たわっているのはデフォルメされた顔ですよね。この顔はガラと出会った後に描かれた「大自慰者」と同じものです。
ダリが幼い時にカダケスの北の港プエルト・デ・ラ・セルバ(もしくはランサ)に一頭の鯨が打ち上げられました。この件は「天才の日記」1953年9月2日のページに腐った鯨の臭覚的思い出の反芻として記載されています。浜辺の凸部にひっかかっている様子はまさにこの鯨の印象と言っていいでしょうね。そのわりに臭気を感じないのは、舌で感じる主題に臭気が会わないといういたって一般的な事情だと思います。
この顔状のものは画面の中央部に描かれています。ダリが言うとおりであれば「柔らかい時計」が描かれる前に表現されていたはずです。この絵から「柔らかい時計」を消去した状態を想像してみると分かりますが、当初はこの顔が作品の主人公だったのです。
⑦大きさ
この絵は24.1cm*33.0cmの大きさです。上野の森でのMoMa展で展示された際に人だかりでなかなか真近に観ることが出来ない時に「へ~こんなに小さかったんだ」との感想を何度も聞きました。私は予め大きさを承知して観に行ったのですが、それでも小さく感じました。
このように印象している大きさよりも実際は小さい場合があります。「セックスアッピールの亡霊」
またまた続きは夜にします。。
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