teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]


新着順:50/193 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

『ダリとファッション』展鑑賞記 その3

 投稿者:dalist  投稿日:2013年 1月10日(木)14時22分17秒
  通報
  あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。
あいかわらず性懲りもなく、もうとっくに賞味期限が切れたような『ダリとファッション』展の感想を続けます。


最後のコーナーは、インテリア・ファッションと称した家具のデザインです。 家具がファションか? ということには疑問もあるのですが、ものは見ようということで、あまり突っ込まないでおきます。
ダリの家具は、絵画として描かれたものを、作者の了解を得て(?)第3者が実際に作ったもので、今回の展示品もそれになります。 展示品は2点あり、ひとつは『バラの頭部の女性』(全画集570)に描かれている『レダ・チェア』、もうひとつは『部屋として使えるメイ・ウェストの顔』(全画集554)に描かれている『リップ・ソファ』です。

まず『レダ・チェア』は、2007年の『創造する多面体』展で見ており、その時の感想に、「原画の中央の人物も、ダリによって立体化されていますから、両方組み合わせて、原画を立体再現してみては」と書いたのですが、今回の展示は、まさにそれを実現したものでした。
実は、“立体再現”を提案した時には、ひとつだけ懸念があったのです。 それは、原画に描かれているものがすべて立体物として制作されているわけではない、ということ。 つまり、立体物だけでは原画の内容を完全に再現することはできないのです。 この、立体物として制作されていない部分をどうするか? についての具体的な方法は考えていなかったのですが、今回の展示は、それを実にうまく処理してくれていました。
今回の展示では、原画から立体物になっているものを消し去り、立体物がないものだけをそのまま残した複製を、立体物の大きさに合わせたパネルにして、それを“背景”にしていたのです!  原画から特定の部分だけを消し去る、それも空白や黒塗りにするのではなく、ちゃんと背景にするなんて、いったいどうやったのかわかりませんが、かくいう私めも『記憶の固執』に関して、「最近のCGソフトを使えば、後から描かれたものを消去して、背景だけの状態を再現することもできるかも」と書いたりしていたので、やればできるのかもしれませんね(いかに無責任な書き込みだったかがわかるでしょ?)。
もちろん、絵と立体物ではサイズに微妙な違いがあり、両者を重ねて見ても、立体物が絵の場所にぴったり納まるとはいかないのですが、それがかえって、立体物がいかにも絵の中から抜け出してきたような感じがしてよかったです(ものはいいよう?)。 とにかく、これはお見事でした。
ただ、せっかくのお骨折りに水を差すようですが、絵の中の立体物を完全に消し去るのではなく、単に黒く塗りつぶしただけでも、ここに描かれていたものが外に出てきたんだな、ということがはっきりわかって、かえってよかったような気もしたりして?
なお、この絵に関しては、椅子だけでなくテーブルも作られているので、できればそれも収蔵されて、今度は3点セットで展示してくださいね、なんちゃって。


今回はここまでにさせていただきます。 そいぢゃ。
 
 
》記事一覧表示

新着順:50/193 《前のページ | 次のページ》
/193